はじめに
これから電子工作を趣味ではじめてみようとしている方や,研究活動でちょっとしたハンダ付けが必要になる人向けの記事です.
はんだごてを含む最低限必要なモノ一式、はんだに必要なアイテムや工具をまとめました。
いろいろなサイトを見てはんだごての購入を検討したが,「結局何を揃えれば良いのか分からない!」という人の参考になればと思います.
とりあえずこれがあれば大丈夫!というものをまとめました.
はんだごて一式
はんだごて
fx-600は初心者から中級者まで使える,趣味や研究での電子工作に最適なはんだごてです.
ユーザも多く,幅広い人達が愛用しています.
セラミックヒーター式で,コテの温度が上がるのが速いのが特徴です.
IC部品の中には,ハンダ付けの温度が決まっている場合もあります.ですので,ある程度の温度調整が可能なのは大きい利点です.
コンセントを差して,持ち手の青いランプが点灯から点滅に変われば,加熱完了です.
fx-600用 コテ先
前述のfx-600には,デフォルトで「ペン型」のコテ先が付属します.
当然,このままでも十分使うことはできます.しかし,ペン型のコテ先は扱いが少し難しいので別売りのコテ先の購入をおすすめしています.
こて先の付け替え方法はこちらの記事にまとめています.
こて台
はんだごての台です.こて台には,大抵の場合スポンジやたわしを置く場所が付いています.ここでコテ先に付いた余分なはんだを拭います.
持ち運びしないなら…
紹介するのはgootのST27です.持ち運びはせず,作業机に置いて使用するのであれば,こちらがおすすめです.
このコテ台は,画像から分かる通り,「スポンジとたわしの両方が使える」ことが特徴です.重量があるので,ぐらつくことなく,しっかりとはんだごてを保持してくれます.
しかし,持ち運びに向いていません.工具箱に入れて持ち運びを考えているのであれば,後述のものがおすすめです.
持ち運びしたい!
コテ台を持ち運びたいと考えているのであれば,gootのST77がおすすめです.これは私も実際に使用しているタイプです.
ガードが付いているので,不意に加熱部に触れて火傷することがありません.
スポンジが2個付属しますが,奥のスポンジを取って,たわし(ST-40)を置くことで,先程紹介したコテ台と遜色ない形で使うことができます.
私はコテ先が冷めるのを防ぐため,中のバネを抜いて使っています.
注意!
こて台の中には,安価な簡易タイプのものも存在しますが,当方では使用をおすすめしません.
はんだごてを置くと,画像の銀色の部分が加熱されます.この加熱された部分に接触し,火傷を負うことが(多々)あります.
また,安定性が良好とは言えないので,はんだごてが転がってしまう場合もあります.
特別に必要なシーンがある場合を除いて,このタイプを使用することはおすすめしません.
はんだ
様々な種類が販売されていますが,このようなもので十分です.
注意点としては,はんだには「有鉛はんだ」と「無鉛はんだ(鉛フリー)」の2種類が有ることです.
有鉛はんだは溶けやすく,扱いやすいです.しかし鉛は有害ですので,学校などの場所によっては使用が禁止されていることがあります.
ヒューム(鉛を含むケムリ)を気にする場合は「鉛フリー」のものを選択しましょう.
その他 必要な工具やアイテム
【必須】ニッパー
電線や部品のリード線(部品の足)の切断などに使う工具です。切断する銅線の太さや用途によって、様々な種類が用意されています。一般的な工作に必要とされるのは次のようなものです。
ここでは一例として、一般的な電子工作に十分な性能の商品を紹介しています。
【必須】ラジオペンチ
部品や基板を把持するのに使用します。部品をはんだごてで温めて、取り外す際など、用途は多岐に渡ります。ものによっては、太い銅線やケーブルを切断できる刃がついています。
【必須】はんだ吸い取り線
はんだを盛りすぎてしまった場合や,はんだ付けされている部品を外す場合に必要になります.ハンダ付けの失敗をやり直せるアイテムなので,一つは持っておいたほうが良いです.
特にこだわりが無ければ、3mm幅のものを使用すれば良いと思います。
はんだ吸い取り器
多くのはんだを吸い取るシーンに活躍します.空気の力ではんだを吸い取ります.
ハンダ吸い取り線とは違い,細かい部分のはんだを吸い取るには不向きですが,繰り返し使用することができます.
付録:はんだシュッ太郎
はんだシュッ太郎は,はんだを温めながら吸い取ることができる便利アイテムです.自動ハンダ吸い取り器を半自動にしたものです.
ジャンク品の修理等,はんだ部品を取り外す作業が多い場合に使います.これについては,作業内容に応じて購入するかを決めれば良いと思います.
【あると便利】ヒートクリップ
部品を仮固定する,熱しすぎると壊れる部品の放熱に使用できる万能クリップです.
作業マット
作業マットは,「はんだカスを捨てやすくする」「机を焼かない」ためのものです.
揃えるものとしての優先順位は最低です.通常の作業では,新聞紙をひいておけば問題ありません.作業机や新聞紙がデコボコしているのが気になる人には便利かもしれません。
付録:中級者辺りから必要になるアイテム
ここでは、初心者におすすめするまでもないが、はんだの作業によっては必要になるアイテムを紹介します。
フラックス
表面実装部品の実装をする場合や、部品の取り外し作業が多い場合に重宝します。
フラックス洗浄剤
前述のフラックス使用後、フラックスを除去する際に使用します。
電子部品用 パーツクリーナー
フラックス洗浄剤と同じく、フラックスを落とすのに使用します。スプレータイプなので、基板全体を洗う時に使用します。私は、KUREのエレクトロニッククリーナーを愛用しています。
チップリフレッサー
コテ先は使用に伴って酸化し,黒くなってきます.コテ先が黒くなると,はんだのノリが悪くなってきます.チップリフレッサーは,コテ先を銀色に復活させるスグレモノです.